論文の書き方 by 安村通晃
updated 2011. sept. 22.
はじめに
- なぜ論文を書くか?
- 論文とは何か?
- 悪い論文、良い論文
実例: 悪い論文
- 何が書いてあるか分からない
- 誤字脱字が多い
- 「〜だろう」とか「〜ではないか」がやたら多い
- 何のための研究かが書いてない
- 何が新しいか分からない
- どういったことに役立つか分からない
- 本人の貢献が明らかでない
- 他の類似の研究との関連が不明
- 参考文献が非常に少ない、または自分のものだけ
論文のエッセンス
- テーマ
- 新規性
- 有用性
- 主張を裏付ける根拠
- 論文としての体裁
論文の構成
一般に論文は次のような構成にすることが多い。
- 表題(タイトル)
- 要約(アブストラクト)
- はじめに(序論)
- 関連研究(これはあとに持ってくる場合もある)
- 研究/実験の方法、方針
- 研究内容
-- ここの部分は実際には複数の章に別れる
- 研究の評価と考察
- 今後の課題
- おわりに(結論)
- 謝辞
- 参考文献
- 付録
文章の書き方
- 結論を先に言う
- 一つの文は短く簡潔に
- 一つの段落では一つの内容だけを言う
- 論旨の展開を考えて文章を構成する
- 文と文、段落と段落の間の流れを考える
- 新しい概念、用語、略語は定義してから使う
書く上での注意事項
- 必ず読み返す(他人のつもりで)
- 日本語としておかしくないか確認する
- 内容がおかしくないか考える
- 読点が多すぎないかチェックする
- 怪しい字や単語は辞書で確認する
英文の場合にはスペルチェッカーにかける
- 同じ用語は統一する
- 言葉遣いについても統一する
事とこと、表わすと表す、組込みと組み込み、一つとひとつ、などなど。
図や表について
- 図や表が多い方が一般には分かりやすい
- 図や表には適切な見出し(キャプション)をつける
一般に表のキャプションは上に、図のキャプションは下に付ける。
- 図では横軸、縦軸がを分かるようにする
- グラフは内容に応じて最適な種類を選ぶ
棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフ、...
参考文献について
- 参考文献は少なすぎることはあっても多すぎることはない。
- フォーマットを合せる
通常は、著者名、論文名、雑誌名、巻号、ページ番号、年月の順。
- 著者名は省略せずに全員を書く
日本人はフルネーム、外国人は、姓、イニシャル。
- 参考文献リストの並べ方も統一する
出現順、年代順、アルファベット順など。
良い論文を書くために
- 優れた論文をいくつか読みイメージをつかんでおく
- タイトルや見出しも大切
- 頭に浮かぶイメージも大切
- 文章の推敲の習慣をつける
- 要求される長さに合わせた書き方を練習する
論文を書き進める秘訣
- 発表用スライドを先につくる
- 図や表、参考文献を先につくる
- 話の流れをメモる
参考文献