ヒューマンインターフェイスの眼 (その9).
by. 安村通晃 1998. 9. 11
放置自転車解消法
駅前の放置自転車は困りものである。少々、駐車スペースを作ったところで、 すぐに溢れてしまう。
なぜ、駅前に自転車を放置するか、というと、自宅から駅までできるだけ 短時間で行きたいからである。車で送り迎えをしてくれる人がいる場合には、 それを利用するだろうが、共稼ぎが増えてくるとそうもいかない。
そこで、駅まで自転車で来ても、駅前に置かなければ良いのだ。つまり、 自転車を持って電車に乗るか、あるいは、あるいは、駅のロッカーに預ける ことが出来れば良い。いずれにせよ、そのためには、自転車が折り畳みが出来て、 コンパクトで、しかも比較的軽量である必要がある。
電車に持込むには、ラッシュ時のように混んだときは無理である。やはり、 原則はロッカーに預けることである。 このような折り畳み自転車はあるだろうか? 新聞報道によれば、ロッカーに 収納可能な折り畳み自転車がすでにあるそうである。しかし、その値段が10万円 をするとか。はやり、このような折り畳み自転車は、せいぜい2、3万で手にはいる のが望ましい。
安くて、軽くて、折り畳んだときコンパクトな自転車が増えれば、駅前の 放置自転車の数も少しは減るのではないかと思うが、いかがであろうか。
テニスロボット
サッカーロボットの研究が盛んである。これは、自律分散協調型のロボットの 研究として興味深い。
スポーツの相手をしてくれるロボットは、まだまだこれからである。 ピッチングマシンなどはあるが、固定した場所からボールを投げるだけで ある。
最近、高速に物体の動きを追跡するロボットが研究されているらしい。 人間のやることと同じことを人間よりも悪いパフォーマンスでやっても 面白くない。
ここは、一つテニスのボールがコートに打ち込まれたら、その場所まで 動いていって、そのボールを打ち返すようなロボットが作れないか、研究 して見るのが面白いだろう。いきなり、テニスコートでテニスさせるのが 難しいのであれば、卓球の相手をまずさせても良いだろうし、さらにその前に ピッチャーの投げるボールを打ち返すバッターロボットも面白いだろう。
ゴルフボールのように止まったボールを打つのではなく、高速で飛んでくる ボールをダイナミックに認識して、打ち返すものが出来れば素晴らしい。
後何年すれば、このようなテニスロボットが作れるだろうか。
ナビガイドロボット
山道を車で走っていると、カーブの先から急に対向車がこないか、心配に なる。ヘッドライトをつけたり、必要なら警笛を鳴したりするが、万全では ない。また、山道のトンネルは、片側通行が珍しくない。このような場合も、 先に入った車が優先権があるが、遅れて入った車は、引き返さねばならないことが ある。
このようなときに、自分の車の十数メートル前を走る(か飛ぶ)ナビガイド ロボットがあれば、さぞかし便利だろうと思う。ナビガイドロボットは、 ぶつかっても大丈夫なように柔らかい素材で作るが、地上を走る場合には 車がついており、空を飛ぶ場合には飛行船のように動く。
対向車が来れば、事前に知らせてくれる。
ナビガイドロボットそのものは、自動運転か遠隔制御になるだろう。 運転手は、ナビガイドロボットにつけられたカメラからの画像も見ることになるので 忙しくなるかも知れない。場合によっては、助手席のナビゲーターが監視と操縦を してもいいだろう。
ナビガイドロボットがものにぶつかったときとか、法律的な問題とか、解決しな 蹴ればならない問題はあるが、まずこのようなナビガイドロボットを試作し、 試用してみると面白いだろう。
以上のことでご意見のある方、一緒に製品化や開発をやろうという人、私の気づいて いないことをご存知の方は、ぜひ安村(yasumura(at)sfc.keio.ac.jp)までご連絡下さい。