ヒューマンインターフェイスの眼 (その3).
by. 安村通晃 1997.4.26
大学のキャンパスと美観
4/26付けの朝刊に、文部省の科学技術研究費の配分が示されていた。 それによると、国立は旧七帝大を中心に軒並、10億円を越えている。 トップの東大は93億。それに対して、私立大学のトップが慶応で、 その額は9億で、東大の10分の1に過ぎない。
しかし、東大やその他の国立大学のキャンパスを歩いていると、 建物だけは、ニョキニョキ建てられているが、植木や道路、壁、トイレ などが、はっきりいって、汚い。これに対して、慶応を始め、多くの 私立大学は清掃も行き届き、キャンパス内を歩いていても、実に気持ちが よい。
科学技術研究費の配分や建物の新築に見られるように、確かに国立大学は、 資金的にもゆとりがあるのだろう。そのお金のごくわずかでも、 キャンパスの清掃・維持管理に使ってはどうだろうか。
家電品と情報機器の融合
家電製品と情報機器との融合はこれからますます、進むと思う。一例として テレビ(+ビデオ)とコンピュータの一体化を考える。 メリットとデメリット(課題)の両方がある。 メリットとしては、ディスプレイが二つなくても良いとか、 番組予約を面倒臭いボタン操作やGコード入力などではなく、 WEBで送られてくる番組表をクリックするだけで良い、など いろいろと考えられる。 一方のデメリットというか課題としては、そもそもテレビと コンピュータのディスプレイとでは、視距離が違う、という 根本的な問題がある。さらに、テレビの画面ははみ出し型 であるのに対して、ディスプレイの方は枠の中に表示面が 入らなければならない、といった違いもある。このような違いを どのように克服できるかが、課題である。
店の見せ方
私の大学の近くに大型のパソコンショップが最近開店した。 大体の場所を聞いて、その店を探したのだが、あるはずの 店が見つからない。夕方6時半頃から30分くらい、店が あるはずの道路の前を車で2、3度行き来したが、見つからなかった。 後でもう少し詳しい情報を聞いて、ゆっくり探して、やっと その店を見つけることができた。それも、電柱の表示を 辿りながらで、また、2度ほどウロウロしながらやっと見つけた。 結局、その店が通りから少し引っ込んだところにあったこと、 東西に通る道路の西側からは探し難く、東側からは発見しやすい ことなどが、後になって分かった。この例では、店の道路に面した ところに大きな看板を掲げておけばすむ話しである。
ただ、これには逆の話しもある。ある一杯飲み屋の看板が、本来 店のある道路とは、店を挟んだ裏側にもあった。そこで、その 近くに入口があるはずと、しばらく探したが見つからない。 これなどは、表示の仕方が不親切な例である。
以上のことで、ご意見のある方は、安村(yasumura(at)sfc.keio.ac.jp)まで。