ヒューマンインターフェイス雑感 (その10).

by. 安村通晃 1999. 2. 1
  • 不健康な建物(Sick Building)

    インフルエンザが猛威をふるっている。1月末の時点で既に死者が100名近くに 上っている。風邪と湿度の関係は良く知られており、湿度が低下するにしたがって、 風邪(特にインフルエンザ)が流行する。
    私の部屋でも湿度を計ってみると、何もしないと、わずかに20%しかない。 理想(50%〜60%)からは程遠い。加湿器をつけても、30%(から良くても40%) 程度にしかならない。これは、沸騰型の加湿器を使っているためである。 (ちなみに、超音波式の加湿器は大変強力ですぐにでも湿度は上がるが、問題は 水道水に含まれるカルキも一緒に空中に飛び、それが特に、コンピュータなどの ディスプレイに貼付いてしまうので、使うことが出来ない。)
    なお、私の部屋は南向きで (コンピュータ3台とプリンターが常時動いているためもあり)、 真冬でも、ほとんど暖房は入れたことがない。南側の窓から差し込む太陽の 熱と換気が悪いために、温度が他の部屋に比べて高いようだ。1月、2月でも 20度くらい。これが、冷房が切れた直後の10月位になると、30度前後になることは ざらである。
    何か、効果的な対処法をご存じの方はお知らせ下さい。
  • 動物との音声対話(Speech Dialog with Animals)

    ドリトル博士の話は本で読んだり、最近では、映画にもなっているので 知っている人も多いだろう。
    動物と話すことは難しいと思っている人は多いと思うが、たとえば、 犬や猫の鳴き声で、何を彼らが望んでいるのかとか、逆に、主人(人間)の いう言葉を彼らが理解していることは誰でも知っている。
    人間の音声の感情を分析する技術と、犬や猫の鳴き声の特徴を音声合成に 利用することにより、犬や猫の鳴き声から彼らの感情を取り出したり、逆に 犬や猫に人間の意向を伝えるときに犬語や猫語の合成音で伝えることも あながち、難しい話では無いと思う。
    どなたか一緒にチャレンジしてみませんか?
  • 券売機の現状(Ticket Vendor Machine)

    電車などの券売機のインタフェースの研究を1992年頃に初めたが、その頃と 今とほとんど状況は変わっていないように思う。
    イオカードのような、入り口と出口の両方でカードを入れ、 駅の場所とその間の距離から自動的に料金を計算するものが出来たのは、まあ 一定の進歩だろう。(これもできれば、プリペイドなのでできれば、割引いて 販売して欲しい。)
    他に、液晶タッチパネル式の券売機が増えたが、肝心の行き先の駅から料金を 調べるところは、相変わらず、見にくい位置にあり、高齢者や弱視の人には 大いに問題であるばかりでなく、健常者でも、次の人がいらいら待っているのに、 料金を探すのにあせってしまう。液晶ディスプレ以上に行き先駅の検索機能は 付けられないのだろうか?
    また、最近、乗り入れ区間も買える券売機も増えてきたが、問題は、最後まで 買えないことが多いため、たいがい、どこかで清算する必要があることだ。 複数の会社間での費用と収入の分配方法に課題があるにせよ、利用者からすれば、 最終目的地まで通しで切符が買えるのが望ましい。
    また、1992年の頃から、音声対話での券売機が開発された、という話があったが、 これはその後、どうなったのだろうか? 液晶タッチパネルに比べると、確かに かえって時間がかかるとかコストもかかる、というような問題もあるが、視覚 障害者や高齢者、あるいは、まれにしか切符を買わないような人にとっては、 少々時間がかかっても分かりやすいインタフェースが望まれる。
    今後の一層の改善を望みたい。
  • 以上のことでご意見のある方、一緒に製品化や開発をやろうという人、私の気づいて いないことをご存知の方は、ぜひ安村(yasumura(at)sfc.keio.ac.jp)までご連絡下さい。